あなたの剣になりたい
2006年 03月 05日
小説・コミックは、それぞれのキャラクターによって違ってきます。
私の場合、山南敬助中心で他のメンバーを見てしまう傾向があるようです。この小説の永倉と山南の関係がいいな~とかね(汗)
試衛館派の最年少であった藤堂平助。小説・コミックの中で、今一番好きな藤堂平助は盛田賢司氏の『月明星稀 さよなら新選組』(小学館)の平助です。
最初は幼いな~かわいすぎるな~とか思っていたのですが、山南を兄のように慕い、健気な姿に思わず涙が出てきそうになります。そしてこの平助と山南の関係には嫉妬しそうにもなります。
自分から芹沢鴨らの暗殺に加わった山南。しかしその後、悩み、自分の真の目的以外は剣を抜かないと決意します。
自分の髪で刀の鍔元を結うのです。武士の誓い。
山南が芹沢鴨の暗殺に加わっていたと知らない平助。ただ山南の決意だけを理解し、受け止めるのです。
山南は池田屋事件にも、禁門の変にも自分の誓いを通すため、参加しません。
そんな山南の分まで自分が働こう、山南の気持ちを理解してくれた土方の気持ちにも応えようとする平助。そのために池田屋事件で無理をして負傷してしまいます。
そんな平助を見て、苦しみ、自分は間違っているのか、再び剣を抜こうかと迷う山南。
しかし平助が山南に言うんです。
「大事な誓いをやめたら、山南さんが山南さんでなくなっちゃうよ」
そして
「これからは僕が山南さんの剣になる」って。
もう涙ですよ。
そして、そう言える平助が羨ましい。とてもとても羨ましい。
『これからは、私があなたの剣になります』
この言葉がどれだけ重たいか、また今の時代に生きている私が簡単に言える台詞ではないことは重々承知しています。
この『月明星稀』の打ち切りが決まったそうです。とても残念です。
今は平助が隊士募集のために東下りした巻まで出ています(これも山南のために自分から希望したんです)コミックはどこまで出されるのかはわかりません。もう出ないのでしょうか?とにかく山南敬助の切腹まではいかないんでしょうね?
山南と近藤・土方の関係はとてもいいので、山南の切腹は自分から望んで(自害)という感じになるのかな~と想像しているのですが、私的には山南が亡くなった後の平助がどうなるのかを見たかった。