『実録 新選組』の山南敬助について

2004年大河ドラマ『新選組!』の後に製作された新選組ものとして、一番目に鑑賞した作品は、Vシネマ『実録 新選組』となりました。『実録 新選組』は、前編と、後編である完結編の2巻ものです。この作品については、話しには聞いていたものの、すでにレンタルされているのをすっかり忘れておりました。

大河ドラマ『新選組!』は、総合的に考えた場合、これを超える作品はなかなか出てこないだろうと思うくらい素晴らしかったと思っています。しかし『実録 新選組』も思っていた以上に良く、ちょっと驚きでした。この作品を観て、『新選組!』における男前、綺麗すぎるところを改めて感じたわけで、それはそれで良いんです。ただ史実の新選組の男たちはこんな感じだったんだろうな~と思ったり。容保公はあんな喋り方はしなかっただろうけれど。
まあ~色々な新選組を観て楽しめたら、それでいいんです。一番大事なのは、山南敬助がどのように描かれるかということなんですけれど。

さて主なキャストは下記の通りです。

近藤勇:小沢仁志
土方歳三:寺島 進
山南敬助:中野英雄
沖田総司:大沢樹生
永倉新八:金山一彦
斎藤一:石橋 保
藤堂平助:小沢和義
原田左之助:本宮泰風
芹沢鴨:白竜
伊東甲子太郎:松田 優
西郷隆盛:小西博之
坂本竜馬:哀川 翔
松平容保:遠藤憲一

何故、源さんがいないんだ~(涙)
中野英雄さんが山南敬助を演じると知ってから、どうなんだろう?と思っていましたが、いや~良かった。良かった。後、私的には寺島進さん演じる土方歳三と、噂で良いと聞いていた大沢樹生さん演じる沖田総司が良い。とても良い。この土方と沖田はかなり好き。この寺島進さんという役者さんを知らず、ちょっと調べていたら、映画『The 有頂天ホテル』に、スパニッシュマジシャンの役で出演されているではありませんか!思い出しましたよ。
約3時間30分で新選組を描いています。まあ~史実と違ったりしているところもありますが、ドラマですから、その辺りはOKです。一方で新選組のキーポイントとなる出来事などはきちんと描かれています。



まず前編では、池田屋事件までが描かれています。
山南敬助にとってキーポイントの出来事が、まず芹沢鴨一派との対決です。山南も土方も近藤に芹澤の殺害を薦めるのですが、近藤がなかなか決断できない。この件について3人で語るシーンで、夏なのに山南と土方が熱い鴨鍋を食べています。このシーンは笑える。側で団扇を仰いでくれるのは、若く、ちょっと派手、よくしゃべる明里。この明里もなかなかよかった。
容保公にも大和屋の一件で呼ばれ、結局は、山南と土方で局中法度を作り(あれ?『新選組!』と同じパターン)、まずは新見錦を切腹に見せかけ殺害。そして平山、芹沢を暗殺。山南さん、もちろんどちらにも参加。
とても活躍した山南でしたが、近藤・土方の考え方と少しずつ、ずれが生じてきます。
そんな中、不逞浪士に襲われている岩城升屋に山南と土方、後2名の隊士の計4名が駆けつけます。不逞浪士と戦っている最中、山南の刀が折れ、そして右腕に負傷。山南が絶望的な危機に面している時、土方と山南の目が合うのですが、土方は助けるのを一瞬戸惑うのです。結局は助けますが・・・
あ~ここがよく分からない。この後、観ていくと、決して土方は山南が嫌いではないんだということはわかるのですが・・・なぜあの時、一瞬戸惑ったのか?土方も山南と自分らの考え方に食い違いが生じてきているということを分かっていたから、新選組を守るためにこの人がいなければ・・・と一瞬思ったのかな???
このシーンを観て、『新選組!』では、同じ岩城升屋事件では土方が助けてくれ、斎藤も助けようとしてくれた(相手に阻まれてしまって行けなかったが)、『新選組!』の山南は幸せだったねと思ったり。怪我もせずに済んだし。
後、一緒に駆けつけた名も無き2人の隊士がどうなったのか分からなかったのですが、土方の刀は無事だったわけです。山南の刀は折れ、他2人の隊士の刀も刃こぼれがしたりしたのかな~そうすると、『異聞録』に描かれた刃こぼれや刃切れのある三振りの血刀の絵、そして真中の刀は山南の佩刀であった赤心沖光。ここに繋がるんですよ。

この事件によって山南と近藤や土方の間に溝が出来てくるわけですよ。近藤は気付いていないけれどね~そして山南はこの負傷によって剣を使えなくなります。彼はそれをみんなに内緒にしていたわけです。そりゃ~言いたくないよね~
そしていよいよ池田屋事件。屯所前に集結した34名。しかし近藤は33名で行くと言う。
「34名です」と言う山南。「いや~あんたも数に入っていないよ」という土方。
「剣を使えない男を連れて行くわけにはいかん」と言う近藤。
そんな仕打ちはないでしょう。試衛館時代からの仲間だよ。山南が剣を使えないと知っていたなら、事前に本人と話してよ。みんなの前で言うことはないでしょう(涙)。
これは一体、何?あ~分からないよ~。それでも山南と自分たちに溝が出来てきたことに気付かない近藤。気付けよ!!試衛館のメンバーのフォローもなかったし。
そして池田屋での戦いが終わり、勝鬨を挙げる新選組のメンバー。その時、屯所で留守番をしている山南の淋しそうな姿の映像があり(涙)。
ここまでが、前編です。

後編の完結編では、まず池田屋事件の報奨金をもらうシーン。ここもかなり辛いよ。もらえないのに、近藤から一人ずつ報奨金を渡す場に居なければならない山南。そしてこの辺りから、永倉たちの近藤批判が始まります。前編では、山南と永倉や左之助ら試衛館派のメンバーとの関係が殆ど描かれなかったけれど、ここに来てやっと描かれたかと思いきや、いきなり、山南に新選組の局長になるべきだと言い出す始末。そして斎藤は、ここでも土方の間者。ここで分かったのですが、山南は土方のことを分かっているし、土方も山南のことをわかっているんだな~と。山南は永倉たちを説得。しかし、山南に断られた永倉たちは建白書を容保公に提出。山南がそそのかしたのではありませんからね。永倉たちが勝手にやったんですからね。
これについてはお決まり通り、容保公が間に入って解決。
会津藩の家老かな?は、近藤に腹を切らせ、山南を跡目に据えたらと、容保公に言ってくれたんですけれど、容保公は頭の切れる人間より、単純な近藤が良いと言って採用してくれませんでした。

今度は伊東甲子太郎の登場。山南は伊東に期待していたのですが、伊東は山南の期待に応えてくれず。そんなこんなで何もかも失望した山南。そんな山南に江戸に帰るように勧めたのが、なんと土方。言い方は乱暴だったけれど、それも山南のことを思った上で。山南も土方の言っていることが当たっているだけに、明里を連れて江戸に帰ります。
さあ~ここからもう涙ですよ。土方は近藤に自分が山南を逃したことを告げる。怒る近藤。もし山南が残ったら、自分が腹を切っていたと言う土方。それは山南と土方の両方がいたら、新選組は分裂し、ダメになるということだったと思う。
「いつからお前と山南さんの思いが食い違った?」と問う近藤に対して
「俺たちと山南さんだよ、近藤さん。」と言う土方。
そうなんですよ。近藤さん、何故それに気付かないの?
そして追っ手には、お決まり通りに沖田が。しかしこの沖田は探すつもりは全く無く、山南が通り過ぎたと思われるところで、時間を潰している。賢いね~そうしたらいいんだよ。いい子だね~それなのに、すでに通り過ぎた山南がカムバックしてきちゃったのよね。もう『新選組!』の山南と言い、もう勝手なんだから。

逃げようと思ったさ。ただ~このまま逃げてしまったら、私の名前は忘れ去られてしまう。私も新選組を作った一人の男さ。意地がある。

それが山南の帰ってきた理由でした。この言葉に私自身、納得できるものがあった。それは沖田にしても、土方、近藤らにしてもそうだった。しかし明里には納得出来なかった。そんな出来ないよね~江戸で一緒に静かに穏やかに暮らせると思っていたのだから。土方も承知しているから、追っ手に捕まる心配もないと思っていたのだから。
映像や小説等で、土方が山南に脱走を勧めるのは初めてだな~少なくとも私にとっては。でも脱走という形でなく、理由をつけて正式な脱退ということはできなかったのかしら。どんな理由があれ、脱退することは認めないというものだったのかな~ここにおいての局中法度は。なにせ山南と土方が作りましたからね~

帰ってきた山南の切腹を、永倉、左之助、斎藤らが止めようとするんだけれど、近藤や山南の言葉に永倉たちも納得。
そして土方との二人の会話。『新選組!』では、山南の言葉に何も言えなかった土方。しかしこの山南と土方はお互いの気持ちを伝え合い、分かり合い、悔いを残すことはなかったと思う。
だって土方自身の最期、切腹する前に山南が残した言葉を思い出すのよね(涙)。

山南の脱走・切腹は時間も十分にとって、丁寧に描かれていたと思います。これは、大河ドラマ『新選組!』で山南敬助がメジャーになった影響?

この山南敬助@中野英雄を観ていて、史実の山南に近い部分があるかもしれないな~という感じがしています。特に近藤・土方らとの間に溝が出来始めるところや、何故切腹したのかと言う辺りが納得できるものがあり。

さて山南の死後伊東らの分裂、油小路の変など話しは続きます。ストーリーの流れとしては油小路の変までで、後は総司、近藤、土方のそれぞれの最期が描かれて終わりです。

とにかく全体的に良かったと思うし、山南敬助@中野英雄は良かった。良かった。観ているものにとっては辛いですけれど(涙)。
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by eri-seiran | 2006-09-02 00:50 |  ドラマ/映画/舞台 | Comments(0)

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