『噂の男』についての総括

舞台『噂の男』は、発表から千秋楽まで約半年間に亘って楽しんだという感じがして、あ~終わってしまって、ちょっと腑抜け状態。そして保存版となっているWOWOWで放映されたプルミエールの『噂の男』での5人のトークシーンなど観て、まだ浸っている状態。まさか自分がここまではまるとは思ってもいませんでした。役者さんたちは次の仕事に向けてすでに動いているというのに・・・
そこで私自身もこの舞台の総括をすることで、気持ちを切り替えたいと思います。

とは言っても、未だに私の中では謎・謎・謎なので、ちょっと整理してみたいと思います。
大まかな内容はこちらより。

12年前
鈴木光明(堺雅人)
パンストキッチン(アキラとモッシャンの漫才コンビ)のマネージャー。ホモ。アキラが好き。アキラとモッシャンのコンビ解消、ユキオ・キミオの漫才コンビのユキオとアキラの新しいコンビ成立に向けて裏で動く。自分がかわいがっているハムスターを殺したのはモッシャンだと思っている。モッシャンを殺そうと計画を立てる。ユキオとコンビを組んだら、アキラが自分をマネージャーから外そうとしていたことを知る。

アキラ(橋本さとし)
パンストキッチンのボケ役。相方のモッシャンとコンビを解消するつもりでいた。鈴木がホモで自分のことを好きだと知っている。そんなホモである鈴木の愛を拒否。鈴木のハムスターを殺す。鈴木がモッシャンを殺そうとすることを知っていて、自分は関わっていないことにして、鈴木に全て任せる。ボイラーの事故により重傷を負ったが、その後に骨なしポテトのアヤメによって殺される。コンビを組んだら、鈴木をマネージャーから外すつもりでいたらしい。

モッシャン(橋本じゅん)
パンストキッチンのツッコミ役。アキラが自分とコンビを解消しようとしていることを知る。何故か、鈴木をいじめるのが好き。

骨なしポテトのアヤメ(水野顕子)
アキラに冷たくされる。ボイラーの事故で重傷を負ったアキラを殺害する。

骨なしポテトのトシ(猪木英人)
アヤメの相方。プライベートにおいては恋人同士。アキラを殺害している現場を目撃。アヤメが殺害したという証拠を隠滅する。

ボンちゃん(山内圭哉)
まだ芸人にはなっていなかった。

加藤信夫(八嶋智人)
父親が漫才コンビのユキオ・キミオのキミオ。ユキオを襲った犯人とマスコミに報道される。その時は小学生くらいだった。

ユキオ
漫才コンビの一人。相方のユキオとコンビを解消して、アキラとコンビを組むつもりでいたらしいが、ある人物に襲われて後遺症が残り、再起不能。

キミオ
ユキオの相方。ユキオを襲った犯人とマスコミに報道され、ノイローゼとなる。

ボイラー技師のムトウ
宝田グランド劇場の地下にあるボイラーが事故を起こした時、コンビニにいた。


現在
鈴木光明
宝田グランド劇場の支配人。ホモ。ボンちゃんとの間に一方的な愛あり。アキラが霊として出て、コミュニケーションを取るが、これまで本人は霊だと気付かず、自分のイメージだと思っていたらしい。モッシャンに裏ビデオの仕事をさせようとする。
アヤメがハムスターを殺したのはアキラと言ったことに対して、怒り、首を絞めて殺す。
観客がいる宝田劇場のステージにてモッシャンに何かをされたのか、ステージで暴れている。その後は詳細不明。

アキラ
霊として登場。自分が亡くなったのはモッシャンのせいではないと伝え、なんとか今の状態から抜け出してほしいと思っている。

モッシャン
酒浸りの日々。ここ6週間は奈落で過ごしていた。廃人となっているのか、或いは振りなのか?ムトウ(ボイラー技師)にパンキチ(パンストキッチン)のネタをけなされたために殺害して、ロッカーに隠した様子。またキミオの息子に自分がユキオを襲った犯人と知られていたから、殺害。そして観客がいる宝田劇場のステージで鈴木に何かしたらしい。ボンちゃんまで殺害した様子。最後は12年前のモッシャンに戻り、パンストキッチンとして一人で漫才を始める。

骨なしポテトのアヤメ
ボンちゃんと肉体関係あり。愛が強いあまりにか、旦那のトシに怪我をさせてしまう。最後は鈴木のハムスターを殺したのはアキラであるという真実を言ったことが原因で、鈴木に首を絞められて殺される。

骨なしポテトのトシ
ボイラー室が爆発するように仕掛けてあったところに知らずに入り、事故に合って死亡。死ぬ前に、12年前のアキラが死んだ真実を言いかける。

ボンちゃん
アヤメと肉体関係あり。ホモである鈴木から自分の愛を拒んだら、芸人を続けていけないと脅されている。鈴木がボイラーの事故によって死ぬように、ボイラー技師の加藤とボイラーが爆発するように仕掛ける。その後、モッシャンに殺害される。

加藤信夫
ボイラー技師になった。ユキオを襲ったのはモッシャンだと思っている。偶然にも宝田グランド劇場の地下室のボイラーの点検に行けることになる。モッシャンへの恨みは深く、廃人になったモッシャンに全てを吐き出す。

ユキオ
詳細は不明。

キミオ
一ヶ月前にノイローゼが原因で自殺。

ムトウ
パンストキッチンのネタをけなしたことが原因で、モッシャンに殺害されたよう。

(ユキオ・キミオ・ムトウについては実際の人物としては登場しません。)

愛と憎しみが入り混じって、誰もが誰かを殺そうと考えたり、殺したり、そして次から次に人が死んでいくというイヤ~なお話しであります。
12年前と現在とはそれぞれが変わっている。その12年間というそれぞれの人生を想像してみたくなる。
この類の作品と言えば、堺雅人さん、橋本じゅんさんが出演されている『Vamp Show』が、私の中では出てきます。これについてはDVDで観ましたが、私的にはちょっと苦手な内容。
だからこの類の作品で、わざわざお金を払って観に行くという機会がありませんでした。まあ~『Vamp Show』については、この舞台があった頃、堺雅人という役者も知らなかったし、もし今なら、観に行くだろう。そして生で観たら、また感じ方も変わるだろうと思う。
さて『噂の男』をPARCOで最初に観た時、こんな内容だったの?えっ!という感じがありました。
先日、この舞台の宣伝をしている動画の堺雅人も近いうちに観られなくなるだろうと思い、こちらの方を覗いたら、ここに書かれてあるストーリーと大きく変わっていることに気付きました。もちろん、骨無しポテトが登場することになった時点で、大きく変わったのだろうということは分かっていたのですが・・・
福島三郎さんによって出来上がった最初の脚本の内容を知りたいものです。

『噂の男』も下手すれば、苦手な内容となり、あ~いくら好きな堺さんでも、もういいかな~ともなりかねないとも思うのですが、しかしそうならなかったのは、それだけこの作品に惹きつけられるものがあり、また役者さんたちが素晴らしかったということなのだろうと思います。

大阪公演観賞後、神変紅丼のレッドさんと、この舞台についての色々な話しになったわけですが、その中で、ユキオを襲ったのは本当にモッシャンなのか?という疑問が浮上。もちろん、一番最後に廃人になりかけの振りをして正気に戻ったのかと思われるモッシャンが、ユキオを襲ったのが俺だとばれていたとアキラに向かって言うわけですが・・・
これは永倉新八や子母澤寛が山南敬助は脱走して切腹したと言っているのに、もしかしたら違うんではないだろうか?という疑問と同じような感じでしょうか。

そこで福岡公演、名古屋公演ではその辺りにも視点を置きながら、観てみました。
実は気になる点があるんです。
ひとつは鈴木にもユキオを襲う理由はあるということ。
アキラとユキオがコンビを組めば、マネージャーから外そうとしていたことを、鈴木は知ったわけです。アキラに愛がある鈴木。いつまでもアキラと一緒にいたいわけです。それならユキオさえ居なくなれば・・・と思ってもおかしくない。
このことについては、アキラも実際に鈴木を疑っています。鈴木は一生懸命に否定しますが・・・モッシャンを殺そうと計画立てている鈴木が、「僕が人を殺しそうな人間に見えますか?」という台詞は笑えた。
それからモッシャンがユキオを襲ったのは相方のキミオと書かれた雑誌を持ってきて、「犯人はキミオだったんだ」と言いながら、嬉しそうにアキラにその雑誌を見せるシーン。この時の暗い、不安そうな、なんとも言えない鈴木の表情。あれはなんだったんだろう?
そして「電話をしてきます」と言って、その場から慌てて出て行く鈴木。どこに電話をしに行ったのだろう?
あ~頭がウニ状態になってきました。
結局、真実はわかりません(汗)。謎で終わるしかないわけですが・・・
ここで『時効警察』の霧山修一郎@オダギリに登場して頂きたい(笑)。

最後にこの舞台で、最初にすごいな~と思ったのはアキラとモッシャンが漫才の練習をしているシーン。
初めて観賞した時には、練習のシーンとは分からない。漫才を聞きに来た観客になっていました。そして突然、練習のシーンだったと分かる。一瞬、自分が演劇を観に来ていた客から、漫才を観に来た客、そして演劇を観に来ているんだと我に戻るという感じがあり、あれは演出と、橋本じゅんさん、橋本さとしさんの上手さだな~と思いました。
また12年前とキャラが変わっている鈴木光明@堺雅人とモッシャン@橋本じゅん。12年前と現在が交互に進行する中で、二人の切り替えがすごいな~と思いました。あれは体力的にも大変だっただろう。

そんなこんなで、この役者さんたちが気になり始めました。堺さんはもちろん別として、それ以外では特に橋本じゅんさんと八嶋智人さん。お二人の舞台をまた生で観たいと思っています。
その前に『Vamp Show』を久しぶりに観よう。
また八嶋智人さんが良い意味で気になる役者さんになるなんって、2年前では考えられないことでしたよ(苦笑)。
それから山内圭哉さん。最近になって、『新選組!』にて出会う前に、出会っていたことが判明しました。2003年4月から6月まで、NHK教育テレビで放映されていたドラマ『パパトールドミー』に出演されており、このドラマは何気なく観ていたのですが、思い出しました。主人公の近所のお兄ちゃんのまさおちゃん。『パパトールドミー』のまさお→『新選組!』の橋本左内→『噂の男』のボンちゃん。まさおの外見は山内圭哉さんそのままという感じ。

長々と書き、また偏った見方をしているかもしれませんが、三三七拍子にて取りあえず、舞台『噂の男』については締めたいと思います。
あっ!ごめんなさい。名古屋での千秋楽の舞台挨拶について書き忘れたことがありました。
最初のカーテンコールか、2回目でしたか、忘れましたが、両袖から金銀のテープが爆音と共に飛びました。これには役者さんたちもちょっとびっくりされていたようです。そのテープを客席の方に放り投げるというサービスをしていた八嶋さん。またスタンディング・オベーションでは、八嶋さんが、「これから30分喋るから、みなさん座っていいですよ」と言うジョークもあり。そして福岡公演の千秋楽でもそうだったのですが、八嶋さんの音頭で観客も一緒に三三七拍子。これが見事に決まり、ちょっと一体感を感じ、また八嶋さんのそのような姿を観て、微笑ましく思った次第です(笑)。

                                    END
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by eri-seiran | 2006-09-27 20:17 | エンターテインメント | Comments(0)

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