烈火のごとく怒った山南
2005年 10月 30日
「新選組!」ファンなら記憶にある方も多いかと思われる、第28回「そして池田屋へ」での堺・山南敬助の名台詞?でございます。
怒鳴る堺・山南に対して一瞬びびる耕史・土方、そして「山南さんも怒鳴ることあるんだ~」と、ストレートに言う藤原・沖田。
そうです!山南は穏やかな性格であった一方、物を申す人、そして短気な面もあったようです。そんな山南の性格を知ることができる逸話が永倉の手記により残っています。
そしてその逸話は、昨日に紹介した草津宿場での出来事です。
1863年2月、浪士組は中山道を通り、草津宿場に着きました。山南はこれまで役には就いていませんでしたが、永倉談によると、この時には三番組の組頭になっていたらしい。元々は6番組の役職なしだったので、何故3番組なのかはちょっと不明な点もあるのですが・・・永倉談によると、芹沢が関係しているらしい。
とにかく、ここで下記のようなことが起こりました。(それぞれの発言については、新人物往来社出版の「新撰組顛末記」より抜粋させて頂きました)
目付役になった村上俊五郎が山南に向かい
「貴公の組は乱暴をしてはなはだめいわくいたす。取り締まらっしゃい」
それに対して山南は
「なにが乱暴だ。拙者をはずかしめんとてさようのことをもうすのだな」と、烈火のごとく怒り出したそうです。
浪士取扱い役の鵜殿と山岡鉄太郎が仲裁に入り、烈火のごとく怒っている山南に「京都に着いて3日以内にかならず村上の処置をする」と言って、その場は治まったらしい。
そして京都に着いて3日目に、山岡が村上に大小の刀を取らせて、山南のところに連れて来て謝らせ、それに対して山南も笑顔で了見したとのことです。
この逸話は永倉の手記のみのせいか、それとも山南自身がマイナーなせいか、あまり有名ではない。ですから、この逸話が大河ドラマ「新選組!」で取上げられるなんで思ってもいませんでした。アレンジして取上げてくれた三谷さん、ありがとう!
そうです!第13回の「芹沢鴨、爆発」であったでしょう?
本庄宿での出来事としてこの逸話を入れてくれたのです。
受付で部屋の案内をする山南に対して、「足が疲れた!」「足を冷やしたい!」「桶に水を汲んで来い!」「この田舎侍が~」などを言う、我儘で無礼な村上俊五郎。そりゃ~山南だって怒るわ。
そして山南と村上が斬り合いになりそうなところを治めたのは、耕史・土方でした。
大好きなシーンの一つであります。
話しが少しそれましたが、とにかく浪士組として上洛する時に、草津宿場で山南の性格を表す出来事があったというわけです。