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ドラマ『輪違屋糸里~女たちの新選組~』

浅田次郎氏の小説、『輪違屋糸里』(文藝春秋)がドラマ化されること、そしてメインキャストを知った時、観るか、観ないかというものがありましたが、観ようと決意。そこには色々な理由があり。ただ観るからには、大河ドラマ『新選組!』と比べてもしょうがないんだから、比べない。このキャストで、約3時間のドラマである(2時間ドラマの2夜連続であるが、CMなど引けば約3時間)ということを納得したうえで観ることにしました。
ドラマの詳しいことはこちらより

全体的に抑えているな~という感じがしました。血はすごかったけれど(苦笑)。
近藤だとか、土方だとか・・・あまりみんな感じられなかったな~だから壬生浪士組、新選組というものも感じられなかった。

私的に良かったなと思ったのは、
沖田総司@丸山隆平は、小説の沖田に近い感じがして良かった。
新見錦を山田純大さんが演じると知った時にはちょっと違うな~と思ったんですけれど、実際に観たら、出番は少なかったものの、良かった。
お梅@中嶋朋子は、舞台『オレステス』でのエレクトラが私の中で蘇ってきて、この舞台を観ていなかったら、私の中でポイントは高かったかもしれない。でもGoodでした。
おまさ@池上季美子とお勝@浅田美代子は期待通りに良かったけれど、欲を言えば、この二人の会話などは少しコミカルな感じが欲しかったかな?

そして山南敬助。
小説では、山南をサンナンと呼ぶのはよくあるし、この小説もサンナンになっているのですが、映像だと、どうしても違和感があり。
また最後まで副長である、この人は他のメンバーとは違うということを感じられなかった。
前編で会津公に拝謁する時、近藤と土方の二人が前で、その後ろに山南含めた他のメンバー。

違うでしょう!そこは近藤と土方と山南の3人が前に並ばなきゃおかしいでしょう!

と、突っ込みを入れてしまいました。

後編の最後に糸里も呼ばれて拝謁するシーンも近藤、土方、糸里が前で山南は後ろで、どこにいるか、わからなかったし。

糸里は顔ぶれに目を凝らした。近藤、山南、土方を前にして、後ろには組頭たちが座っていた。
                         『輪違屋糸里 下』(文藝春秋)より

と、小説に書かれているんです。そして糸里は土方のかたわらに座ります。

試衛館派のメンバー、出番は少ないものの、それぞれポイントとなるシーンはあって、それでどんな人物かが、ちょっとわかる。例えば永倉新八は芹沢鴨らの暗殺に反対、そのために永倉の見張りに斎藤一がつくとか。この二人も良かった。藤堂平助も監察方の仕事をしておりましたし(笑)。
山南にはそういうシーンがなかったな~敢えて挙げれば、源さんと相撲興行の宣伝をしているシーンかしら、思わず笑ったシーンでしたけれど。
後は、芹沢暗殺予定の日、源之丞に今夜は祇園に泊まってきなさいよと言うシーンくらい?
とにかくこれらのシーンでは山南敬助がどんな人物かというのはわかりにくい。
他の試衛館派のメンバーも同じであったり、小説がそうであれば納得できるんですけれどね。
小説では山南敬助という人物をちゃんと描いてくれているんです。

山南敬助がやさしげな笑顔を向けてくれた。野卑な浪士たちの中にあって、この侍はいつもあたりに気配りを忘れない。
                      『輪違屋糸里 上』(文藝春秋)より

とか、

「さあさあ、遅ればせながら一番隊長のお出ましだ」
みっしりと居流れた隊士たちの中から、山南が立ち上がって拍手をした。
                                           
                      『輪違屋糸里 下』(文藝春秋)より

とか、

一瞬、山南と目が合った。己がなかなか来ぬことを懸念していたのかもしれぬ。
                      『輪違屋糸里 下』(文藝春秋)より
                      *己とは一番隊長こと沖田総司

とか、色々とあるんですけれどね。

と言うわけで、小説『輪違屋糸里』ファンとしても新選組ファンとしても山南ファンとしても全体的に物足りなさを感じました。
しかし中村獅童さんが10月号の『TVnavi』にて、芹沢を演じることに熱く語っておりまして、それを読んでいると胸が熱くなりまして、また役者さんたち・スタッフさんたちもみんないい作品を作ろうとして仕事をしているわけですし、と言うことで、言いたいことを遠慮なく書いてしまいましたが、みなさんお疲れ様でした。

エンディングテーマであった平原綾香の『シチリアーナ』はとても気に入っちゃった。
by eri-seiran | 2007-09-11 12:44 |  ドラマ/映画/舞台

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