人気ブログランキング | 話題のタグを見る

静御前に芸者孝千代

今日も歌舞伎の話しです。
そしてしつこいです。金曜プレステージ『これが日本の大家族!勘三郎感動密着413日 涙と笑いの親子愛スペシャル』ついて書き忘れたかというか、日が経つにつれてやっぱり言っておきたいと思いまして。
忠臣蔵の大きな試練で、喉にポリープができ、それでもあらゆる部分に目を配り、休むことなく体に鞭を入れ続ける中村勘三郎さん。そんな時、片岡仁左衛門さんがスーツのまま、舞台の上で転げまわって勘三郎さんのお弟子さんに演技指導、そして勘太郎君にもした、つまり中村勘三郎さんを助けたと。
そしてその熱意には理由がありましたとナレーションは言っていました。それは16年前に仁左衛門さんと孝太郎さんは親子の獅子が舞う連獅子をを踊る予定でしたが、公演の一ヶ月前に仁左衛門さんが病気で降板。その時に代役を買って出たのが勘三郎さんだったというわけです。この話しは良い話なんです。仁左衛門さんに勘三郎さんに孝太郎さんの3人の映像や25歳の孝太郎さんの写真、また孝太郎さんのインタビューもOKなんです。
しかしそんなことがあったから仁左衛門さんはスーツのまま演技指導をしたわけではないと思うんです。伝統を伝える、良い舞台にしたいということだと思うのです。そしてそういう方だと思うんです。無理にこのエピソードを持ってきたような感じがして。

さて仁左衛門さんや孝太郎さんがご出演している大阪松竹座での壽 初春大歌舞伎の昼の部の楽日を観て参りました。これは1月3日の初日を観て、簡単に記事にしています。それから3週間以上が経ち、その時との違いはあまり良くわからなかったのですが、自分の席は3等席から1等席ということで、近くだと衣装や演技や表情など細かいところまで分かって、息遣いまで感じられて、だから高いけれど、頑張っちゃうわけです。
昼の部の『義経千本桜 鳥居前』の静御前、『お祭り』の芸者孝千代、そして夜の部の『霊験亀山鉾』の女房お松のどれも好きです。

身分の高くない武士や町人の女房役が好きですと、先日の記事で書きましたが、静御前のような上品な若い女性、また孝千代のような江戸の粋な女性もとてもいいな~と思いました。
静御前は美しく可憐で品があり、赤い着物がとても似合っていた。自分も義経と一緒に西国に行けるようにとりなしてほしいと弁慶に頼むところ、義経との別れのシーンとか、いじらしかったです。

芸者孝千代は粋で色っぽく、品のあるきれいなお姉さんでした。あんな色っぽい表情をされたら誰でも恋に落ちますよ。
蔦頭松吉@仁左衛門がやってきた若い者たちをやつけるところでは椅子に座って見ているのですが、あの人は強いのよ、何も心配はいらないのよ、素敵でしょう、私はあの人に惚れているのと語っているかのように幸せそうな表情をしているんです。その表情に私は見惚れていました。
そして芸者孝千代が一人で踊っている時には松吉が椅子に座って見ているのですが、きれいな孝千代に見惚れ、幸せそうな良い表情をしているんです。実際は子ども、及び後輩の踊りをチェックされているのでしょうけれど(苦笑)、でもそんなことを感じさせない幸せそうな笑顔をしていた松吉@仁左衛門でした。
最後、二人が手をつないで舞台から花道へ。とても幸せそうなご両人。そんな二人を観ていたら、こちらまで笑みがこぼれ、こちらまで幸せを感じられ。

芸者孝千代は好きなお役のベスト3に入るだろう。『俊寛』の海女千鳥に『油地獄女殺』のお吉に芸者孝千代です。約2年前に海女千鳥@孝太郎に恋に落ちたわけですが、それよりも先に芸者孝千代@孝太郎に出逢っていても恋に落ちただろうと思う。
by eri-seiran | 2009-01-26 22:16 | 歌舞伎

山南敬助をメインにしたブログです。ホームページ『山南敬助 赤心記』共々よろしくお願い申し上げます。


by eri-seiran